家を外壁塗装でメンテナンスするとき、大切なペットに影響が出ないか心配に思う飼い主さんは多いのではないでしょうか。施工中は、塗料の成分が揮発したり知らない人の出入りがあったりと、ペットにとってストレスが多い環境になりやすい傾向にあります。
こういった影響からペットを守るためには、正しく対策することが大切です。今回は、ペットがいる家の外壁塗装で気をつけたいポイントについて説明します。
まずは、外壁塗装時にペットのストレスになりやすい要素について5つ紹介します。
人間にとっても不快な塗料の刺激臭は、油性塗料を希釈するときに使われるシンナー等の有機溶剤が揮発することで生じます。シンナーに含まれているVOC(揮発性有機化合物)は、光化学スモッグの原因物質であり、人間はもちろんペットにとっても有害です。
こういった成分は、大量に吸い続けない限りは大きな危険が及ぶことはありません。しかし、いつもと違うニオイがペットのストレスになる可能性が考えられるため、しっかりと様子を見てケアをしてあげましょう。
ちなみにペットがシンナーを吸い込むと、アレルギー症状や嘔吐、フラつきなどの症状が出ることがあります。間違えて塗料を舐めてしまうと命に危険が及ぶこともあるため、細心の注意を払うようにしましょう。
人見知りしやすい性格のペットの場合、見知らぬ作業員が何度も出入りすることがストレスになってしまう恐れがあります。なかでも猫は自分のテリトリーに見知らぬ人が入ることを嫌うため、とくに注意しましょう。
犬の場合、作業員に対して吠えたりじゃれたりしてしまい、作業の邪魔になってしまう可能性も考えられます。塗装中は、いつもよりしっかりとペットの面倒を見ておきましょう。
換気ができないことも、施工中に気をつけたいポイントです。塗装作業をしているときは家の窓が養生されてしまい、窓の開閉ができなくなってしまうためです。
体温調整が苦手なペットの場合、換気ができないことで息苦しさや体調不良を引き起こしてしまう可能性があります。
塗装中はエアコンの室外機が養生されたり取り外されたりするため、エアコンが使えなくなってしまいます。換気ができないことと同様に、エアコンが使えないこともペットの体調不良の原因となるため、十分に注意しましょう。
場合によっては養生したままエアコンを使えるようにしてくれる業者もあるため、まずは依頼先に相談してみることが大切です。
作業中の足場組立や作業員の話し声、高圧洗浄機の音などが、ペットのストレスになってしまう可能性も考えられます。大きな音はどのような動物にとってもストレスになるため、「怯えている」「よく吠える」などいつもと違う様子のときは、ペットホテルなどに預けておくといいかもしれません。
上記の要素を踏まえて、ここからはペットがいる家を外壁塗装するときの対策法について紹介します。
ペットがいる家を塗装してもらうときは、必ず業者にペットのことを話しておきましょう。業者によっては、ペットに配慮して換気できるように作業を進めてくれたり、騒音に気をつけながら塗装をしてくれたりすることがあります。
ただし、業者のすべてがこういった対応ができるわけではありません。見積りや問い合わせ時点でしっかりと「ペットがいる家の塗装経験」について聞いておくと、ペットに配慮してくれる業者を選べるでしょう。
ペットのへの影響を考えるなら、塗料は水性塗料を選んでおくと安心です。水性塗料は油性塗料と比べるとニオイが少なく、危険物質であるVOCの排出量が少ないためです。
もちろん塗料である以上は、水性塗料であってもペットに100%安全とは言えません。そのため、間違えて舐めてしまわないように気をつける必要があります。
また、塗装部位によっては油性塗料しか使用できないケースもあるため、あらかじめ業者に判断を仰ぐようにしましょう。
ペットへの影響を最小限にしたいのであれば、施工する時期も工夫しましょう。夏や冬は、エアコンが使えないと体温調整ができなくなってしまい、ペットが体調不良を起こしやすくなります。エアコンを使用しなくてもいい春や秋に塗装を行うと、施工中でも比較的快適に過ごせます。
また気温が低く湿度が高い時期は、塗料が乾きにくく工期が長引きやすい傾向にあるため注意しましょう。できるだけ温度が高くカラッとした時期で、暑すぎない日に塗装を行うことが理想的です。
ペットのストレスを減らすためにも、塗装期間中は隔離してしまうのもひとつの手です。はペットをホテルに預けてしまえば、体調への影響やストレスに関して過度に心配する必要がなくなります。
ただし、施工は10日以上かかるため、費用面でペットホテルを利用できないという人も多いでしょう。この場合は、ペットを人の出入りが少ない部屋に隔離する、VOCが溜まりにくい2階にケージを移動するなどの工夫をしてあげましょう。
外壁塗装は、塗料の使用や業者の出入りなどの影響でペットがストレスを感じやすい工事です。場合によってはペットの体調不良が起きてしまう危険性があるため、しっかりと対策を取りながら施工を進めてもうらうようにしてくださいね。
ペットに配慮した塗装を行うためには、水性塗料を使用したり施工時期を調整したりすることが有効です。まずは塗装業者に相談し、どのように進めるか一緒に考えてもらいましょう。