敷地内で建物の床面積を増やすことを、「増築」といいます。増築するときに、確認申請が必要となることをご存知でしょうか。確認申請とは、施工の内容を自治体や指定検査機関に申請し、許可を得ることを指します。
本記事では、増築の確認申請について説明します。申請が必要となる要件や流れを紹介するので、増築を検討している方は参考にしてみてください。
実は、すべての増築で確認申請が必要になるわけではありません。増築で確認申請が必要になるのは、以下の2つのケースです。
各工事の詳細について説明します。
敷地内の建築物の延面積を拡大する工事では、増築面積が10平方メートルを超える場合、確認申請が必要となります。10平方メートルは、約6畳分の広さです。
既存の建物を増床するだけではなく、新しい建築物を追加する場合も該当するため注意しましょう。たとえば、カーポートを新設する場合も、面積が10平方メートルを超えるときは確認申請が必要です。
準防火地域・防火地域とは、「市街地における火災の危険を防除するために定められた地域」です。火事の延焼を防ぎ、緊急車両の通行を妨げないようにすることを目的に指定されます。建物が密集している地域や繁華街、幹線道路沿いなどが多い傾向にあります。
準防火地域や防火地域では、10平方メートル未満の増築であっても確認申請が必要です。安全へ配慮するためにも、すべての増築で確認申請をしなければいけないことを理解しておきましょう。
増築の確認申請は、以下の流れで行われます。
確認申請は自分で行うことも可能ですが、専門知識と多くの書類を要するため、一般の方が手続きをすることは難しいとされています。そのため、施工業者や建築士に任せることが多い傾向にあります。
増築の確認申請を行うときは、費用が発生します。確認申請の費用は自治体や検査機関によって異なるため一概にはいえませんが、ここでは神奈川県川崎市における確認申請の費用をみてみましょう。
確認申請にかかる費用は、以下のとおりです。
中間検査とは、増築が法令の基準に適合しているかどうかを確認する、施工中に行う検査です。この検査に落ちてしまうと、工事を進めることはできません。
中間検査が必要かどうかは、工事の内容や自治体の判断によって異なります。検査の費用は以下のとおりです。
完了検査は、増築が終わった建物・工事が法令の基準に適合しているかどうかを確認する検査です。確認申請の書類どおりに工事が行われたかどうかをチェックします。
完了検査の費用は、中間検査が行われた場合と行われなかった場合で異なります。それぞれの費用は、以下のとおりです。
※出典:川崎市:建築物の確認申請、計画通知又は検査の申請手数料
ここまで、増築を行う際の申請や検査について説明してきましたが、実は場合によっては増築ができない建物や工事の内容があります。ここでは、増築ができない3つのケースを紹介します。
建ぺい率と容積率いっぱいで、増築することで上限を超える場合は、増築することができません。
建ぺい率と容積率は、用途地域や都市計画によって異なります。必ず、上限値を不動産会社や自治体に確認してから増築を計画しましょう。
第一種・第二種低層住居専用地域内では、建物の高さは10mまたは12mまでと都市計画で定められています。増築によってこの高さ制限を超える場合も、工事はできません。
敷地面積や建ぺい率、容積率に関係なく高さ制限は設けられるため、注意しましょう。
既存不適格建築物とは、建築当時の法令では合法だったものの、法改正などにより現在は法令において不適格な部分がある建建築物です。
代表的な一例としては、1981年を境に変わった耐震基準が挙げられます。1981年よりも前の基準で建てられた旧耐震基準の住宅は「既存不適格建築物」となり、増築はできません。
ただし、現行制度に適応した補強などを行えば、増築できる可能性があります。まずは、自治体や建築士に確認を取ることが大切です。
増築のときは、確認申請を行なってからでないと工事を進められないケースがあります。ご自宅の増築に確認申請が必要かどうか、しっかりと施工業者や建築士と確認しながらリフォーム計画を立てましょう。
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