左官工事は、建物の壁や床を作り上げるために欠かせない工事です。私たちに馴染み深い一般的な建築物はもちろん、寺院や城などの伝統的な建築物でも左官工事は行われています。
左官工事は手作業によって芸術性の高い表現ができることから、意匠性を高めたいときに取り入れられることが多い傾向にあります。しかし、外壁塗装などの工事と比べると「どのような工事で、どのような手順で行われているのか」をあまり知られていません。
そこで本記事では、左官工事の基本的な知識を解説します。
左官工事とは、建物の壁や床にモルタルや壁土、漆喰などを塗りつけていく工事のことです。モルタルとは、セメントと砂、水を練り合わせたもので、建物の外壁やレンガ、ブロックの接着剤として使用される建材です。
玄関や浴室、洗面所などの下地造りや、外壁などの仕上げをするときなどに左官工事は行われます。
左官工事の品質は職人の技術や気温、天候などに大きく左右されます。そのため、依頼するときは経験が豊富で腕のいい職人に施工してもらうことが肝心です。
左官工事には、3つのメリットが存在しています。
各メリットを詳しくみてみましょう。
左官工事ではコテの種類や使い方、建材の種類に応じてさまざまな表現が可能です。波のように動きのある壁にしたり、大理石調の見た目に仕上げたりすることもできます。
左官と聞くと和風な仕上がりをイメージする方も多いかもしれませんが、材料と塗り方によってはモダンな仕上がりになることもあります。デザイン性が高く、さまざまな表現ができる点が大きな魅力でしょう。
使用する材料によって異なりますが、左官で施工する際は壁や床にさまざまな機能性を持たせることが可能です。
たとえば珪藻土などの自然素材を使えば、吸湿性や放湿性、消臭効果が期待できます。また、何層にも素材を塗り重ねていくことで、保温性や断熱性の効果を持たせることもできます。
見た目がいいだけではなく、機能性も高い点が左官工事を行うメリットです。
シックハウス症候群とは、建材などから発生する化学物質により室内空気が汚染され、それが原因で引き起こされる健康被害のことです。鼻水や頭痛、湿疹など人によってさまざまな症状が出る点が特徴的です。
左官工事では天然素材を使って施工するため、シックハウス症候群を予防できます。また、左官工事で使う天然素材のなかには、シックハウス症候群の原因物質(VOC物質:揮発性有機化合物)を吸着するものも多く存在しています。
一口に左官工事といっても、工事の内容によって2つの種類に分類することが可能です。ここでは、左官工事の2つの種類について解説します。
下地造りは、文字通り壁や床の下地を造る工事を指します。玄関やキッチン、浴室、洗面所などを施工するときに左官工事を行います。
下地は目に見える部分ではありませんが、左官工事をしっかりと行わなければ壁や床、設備の施工はできません。また、ペンキ塗りやタイル張りで仕上げる場合、下地に仕上がりが大きく左右されるため、左官は非常に重要な工程なのです。
仕上げ塗りは、壁などの表面を塗り上げて仕上げる工事です。下地を造った壁に漆喰や珪藻土を塗り付け、動きを出しながら壁を作り上げます。
仕上げ塗りでは、たとえば以下のような材料を使います。
仕上げ塗りでは、コテの動きがそのまま壁の模様として残ります。そのため、職人の高い技術力が欠かせません。仕上げ塗りができる職人になるまでは、長い修行期間を要するとされています。
左官工事の費用は、使用する材料によって大きく変わります。費用の一例をまとめておきますので、参考にしてみてください。
なおこちらの単価には、施工費用も含まれています。
ただし、使用する材料のグレードや希望する施工によって金額は変動します。あくまで、ひとつの目安としてお役立てください。
左官は、デザイン性や機能性が高い壁・床に仕上げられる施工です。「味のある住宅に仕上げたい」「健康に気を遣った住環境にしたい」という方は、ぜひ左官工事を検討してみてください。
左官工事は職人の手作業で行われ、高くて繊細な技術を要します。したがって施工を依頼するときは、実績が豊富で信頼できる業者を選ぶことが非常に重要です。
神奈川県川崎市で左官工事をご希望の方は、ぜひ創業70年の信頼と実績を誇る野村塗装店までご相談ください。優秀な左官職人が、仕上げ工事から下地造りまで、丁寧で高品質な施工を提供いたします。