私たちの生活に欠かせないエアコンは「業務用」と「家庭用」の2種類に分類することが可能で、それぞれには大きな違いがあります。「一般家庭には家庭用エアコンしか設置できない」「店舗は絶対に業務用エアコンがよい」というわけではないので、ご自宅や店舗にどちらを設置すればよいか迷ってしまう方もいるかもしれません。
この記事では、業務用エアコンと家庭用エアコンの主な違いを解説します。それぞれの特徴や選び方のポイントを押さえて、空間に合ったエアコンを設置しましょう。
業務用エアコンと家庭用エアコンには多くの違いがありますが、押さえておきたい主なポイントは以下の6つです。
各項目の詳細をみていきましょう。
業務用エアコンと家庭用エアコンの最大の違いは、冷暖房能力です。
家庭用エアコンは、6畳から20畳までの広さに対応していることが一般的です。
一方で、業務用エアコンはより大規模な空間に対応している点が特徴です。オフィスや店舗、工場など広い空間を効率的に冷暖房するために設計されており、家庭用エアコンよりも高い冷暖房能力を有しています。
エアコンの冷暖房能力は、kWまたは馬力の単位で表されます。それぞれを比較すると、家庭用エアコンは0.8~3馬力程度、業務用エアコンは1.5~10馬力程度が目安なので、2~3倍はパワーが異なるということです。
設置方法と構造も、業務用エアコンと家庭用エアコンでは異なります。
家庭用エアコンは主に壁掛け型で、室内機と室外機がセットになった分離型が一般的です。そこまで複雑な構造にはなっていないので、知識と技術があればDIYで設置することもできます。
業務用エアコンは、天井埋め込み型や天井吊り型、床置き型など、さまざまな設置方法があります。また、1台の室外機で複数の室内機を動かす「マルチタイプ」が一般的で、空間の特性や用途に合わせて最適な設置方法を選択できます。
業務用エアコンを設置するときは、室外機の埋め込みや配管洗浄など専門業者による工事が必要です。DIYで対応することはできない点に注意しましょう。
業務用エアコンと家庭用エアコンは、初期費用(本体代金+設置)とランニングコストも大きく違います。
家庭用エアコンの初期費用は10万円〜50万円程度で、電気代は月額1,000円〜5,000円程度です。一概にはいえませんが、メンテナンス費用も年間5,000円〜1万5,000円程度と比較的安価な点が特徴です。
一方、業務用エアコンは初期費用が50万円〜数百万円以上と高額になる傾向にあります。電気代は月額数万円〜数十万円となり、メンテナンス費用も年間で数万円〜数十万円かかります。
業務用エアコンは初期費用もランニングコストも高額ですが、長期的な使用を前提に設計されているため、耐久性に優れています。家庭用エアコンは6~10年程度、業務用エアコンは10~15年程度が耐用年数の目安です。
機能性も、家庭用エアコンと業務用エアコンでは異なります。
家庭用エアコンは、リモコンで操作することが一般的です。最近は、スマートフォンと連携して操作できる機能を搭載するモデルも増えてきました。他にも、空気清浄機能や除湿機能などの付加機能が充実しており、多様なニーズに対応できる点が特徴です。
業務用エアコンは、集中管理システムによって複数台を一括制御することが一般的です。温度設定や運転スケジュール管理を細かく行うことができ、エネルギー消費量のモニタリングや分析機能も備わっています。ビルや施設全体の空調を効率的に管理できる点が特徴です。
業務用エアコンと家庭用エアコンでは使用する環境やパワーが異なるため、騒音レベルも変わってきます。
家庭用エアコンの騒音レベルは、室内機が20〜45dB程度、室外機が40〜50dB程度と比較的静かです。一方で、業務用エアコンは大型で高出力なため、室内機が30〜50dB程度、室外機が50〜70dB程度と、家庭用に比べて騒音レベルが高くなる傾向があります。
各メーカーでは騒音対策機能を搭載したエアコンを提供しているので、なかにはさらに静かに稼働させられる製品もあります。
家庭用エアコンはインテリアに馴染むスタイリッシュなデザインで、カラーバリエーションも豊富です。コンパクトで目立たない設計になっていて、居住空間の美観を損なわないよう配慮されています。
一方で、業務用エアコンは機能性重視のデザインで、天井や床に溶け込む設計が多い傾向にあります。機能性とメンテナンス性に特化しており、大型かつ存在感のある外観の製品がほとんどです。
居住空間が広い自宅や狭い店舗の場合、「業務用エアコンと家庭用エアコンのどちらを設置すればよいのだろう」と迷ってしまう方もいるかもしれません。
ここでは、ご自宅や店舗に適したエアコン選びのポイントをみていきましょう。
業務用エアコンと聞くと店舗や商業施設を想像するかもしれませんが、実は一般家庭に設置することも可能です。特に、広いリビングや変形間取りを採用している場合は、家庭用エアコンでは馬力が不足してしまう可能性があるため、業務用エアコンを選択する方は珍しくありません。
ただし、業務用エアコンは家庭用エアコンよりも大型で消費電力が高いため、設置する際は専門業者とよく相談する必要があります。
業務用エアコンと家庭用エアコンのどちらを設置すべきか迷ったときは、それぞれのメリット・デメリットを比較して判断することがおすすめです。
メリット | デメリット | |
業務用エアコン |
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家庭用エアコン |
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業務用エアコンと家庭用エアコンの選択に悩んでいるときは、部屋の広さが重要な判断基準になります。20畳以下なら家庭用、それ以上なら業務用を検討してみるとよいでしょう。
他にも、使用頻度や使用時間、求める機能性によってもどちらが適しているかは異なってきます。判断に迷ったら、ハウスメーカーやエアコン設置業者に相談してみることをおすすめします。
どのようなエアコンを設置するかによって、空間の快適性やランニングコストは大きく変わります。「住宅なら家庭用エアコン、店舗なら業務用エアコンでなければいけない」というわけではないので、本記事を参考に、ニーズに適したエアコンを設置してくださいね。
より製品選びについての具体的なアドバイスが必要な場合は、専門知識を持った販売店や施工業者に相談しましょう。
神奈川県川崎市で創業70年の信頼と実績を誇る野村塗装店では、業務用エアコンの設置についてのご相談を承っています。エアコンでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。