コンクリートは丈夫なイメージがあり、メンテナンスは一般の建物よりも少なくて済むと思っている方もいます。しかし実際には、コンクリートもメンテナンスをしなければ、もろくなってしまいます。そこで今回は防水工事が必要になる理由と防水工事の手順、さらには業者を選ぶポイントについて紹介します。
そもそも防水工事がなぜ必要なのでしょうか。先ほど、コンクリートがもろくなると書きましたが、コンクリートがもろくなるのには理由があります。コンクリートはそもそもアルカリ性です。それが風雨にさらされていると、そのままでは中性化してしまいます。中性化したコンクリートはもろくて、建物の強度自体ももろくなります。そのうえ、一度、中性化したコンクリートは強度を維持するのが難しくなってしまうのです。結果として、内部の鉄筋にまで影響が出てきます。そのため、中性化しないように防水工事が定期的に必要になるのです。
防水工事が必要な理由は分かりましたが、どのような基準で防水工事を行っていけばよいのでしょうか。防水工事が必要となる目安は10年です。10年に1回は点検をして、防水工事をした方が良いでしょう。それ以外にも、以下のような現象が見られたら業者にお願いして点検してもらった方が良いです。
このまま放って置くと事態はさらに悪化します。そうならないためにも、上記のような症状が見られたら業者に点検してもらうようにしましょう。
防水工事にはさまざまな方法がありますが、一般的に行われるのはウレタン防水工法です。ウレタン防水工法が多くの業者で利用されている理由は、ウレタンが軽量で建物に負担をかけないということと、ウレタン塗膜が複雑な形にも対応できることがあげられます。ここでは実際にどのような手順で防水工事が行われているのか、説明します。
まずは汚れを落とさなければなりません。高圧洗浄機を使って汚れを落としていきます。また、劣化した下地は取り除く必要があります。しっかりと取り除いておかないと、防水性が落ちてしまいます。その後、傷んでいる下地については補修します。ひび割れなどがあると、防水工事が終了しても、防水力が落ちてしまうので、こうした作業は重要な工程のひとつになります。
マットを全面に貼っていきます。このシートを貼ることでひび割れなどを防ぐことができます。
防水層を塗っていきます。こちらは2回行うのが一般的です。ウレタンの場合、形状が自由に変えられるので、つなぎ目の無い塗膜を実現できます。
乾いたら最後にトップコートを上塗りして完成です。こちらは耐久性が向上するだけでなく、見た目もきれいになります。
ここで紹介しているウレタン防水工法は代表的な防水工事です。一般的な業者はこちらの工事をしているところが多いと思います。ウレタン防水工法であれば、耐用年数も12年で使いやすい工法だと言えます。ウレタン防水の単価は1㎡あたり約7,500円が相場です。この相場よりも高すぎるのも注意したほうが良いですが、安すぎるのも問題ですので注意してください。
防水工事業者を頼む際には次の3つの注意点があります。これらの注意点を頭に入れながら、防水工事業者を選ぶ基準について考えていきましょう。
防水工事は屋上で行う工事であり、人の目が届かないことが多いです。安い工事をするためには、資材を少なくするいわゆる手抜き工事しかありません。そのため、適正価格を大きく下回る業者には依頼しないようにしましょう。
見積もり書にはどのような資材を使うのか書かれています。その資材の値段についてはネットで調べれば簡単に分かります。また、そこに書かれている資材が何に使われるかも分かるはずです。分からないことはネットで調べたり、業者に直接聞いたりしてみましょう。業者に直接聞くと、その業者の態度で良い業者なのか悪い業者なのかすぐに分かります。営業で来ている社員を見れば、その会社がだいたいどのような会社か分かりますので、分からないところはいろいろと聞いてみましょう。
今の時代、見積もりを複数とって比較するのは当然です。防水工事についてもそれは同じです。しかし、あまりにも見積もりを取りすぎると、どれが良い業者なのかよく分からなくなってしまいます。大手の業者、評判のいい業者、地元の業者などいくつかに分類して、5社ぐらいまでの見積もり依頼にしておきましょう。
これまで防水工事について説明してきました。コンクリートが脆くなってしまうと、内部の鉄筋にまで影響がでます。そうならないためにも防水工事を定期的に行うようにしましょう。また防水工事はある程度の相場が決まっています。前述した相場から大幅に安い業者や高い業者には注意しましょう。