「外壁の一部がひび割れてしまった」「一部だけ剥がれてしまった」というときに、全面を塗り替えるのではなく、部分的に外壁塗装することを検討する方は多いかもしれません。一見、部分塗装は手軽に行えるように思われるかもしれませんが、実は時間や費用がかかるおすすめできない施工方法なので注意が必要です。

この記事では、部分塗装の可否やリスク、依頼時の注意点について詳しく解説します。部分塗装で費用や手間を軽減したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

一部だけ外壁塗装（部分塗装）することは可能？

外壁の部分塗装は、技術的には可能です。しかし、「部分塗装でもよいか」「全面塗装したほうがよいか」というのは、状況によって異なります。

まずは、部分塗装の可否についてみていきましょう。

基本的に部分塗装はおすすめできない

一般的に、外壁の部分塗装はあまりおすすめできません。部分塗装の場合、施工時は一時的に劣化部分を補修したり費用を抑えたりすることが可能ですが、長い目でみるとデメリットのほうが多くなるためです。

費用を抑えるために劣化部分だけを塗装したとしても、結果的にコストパフォーマンスが低くなってしまうケースがほとんどです。部分塗装を希望するときは、どうしても必要なときに最小限の施工だけを行いましょう。

部分塗装をしてもよいケース

基本的に部分塗装はおすすめできませんが、次のような場合は一部だけ塗装する方法でも問題ありません。

• 5年以内の増改築により、一部だけ古い壁がある場合
• 給湯器や室外機の裏など、今まで未塗装だった部分を塗装する場合
• 近いうちに外壁の張り替えを予定している場合

ただし、上記に当てはまるケースでも、劣化部分が多い場合や外壁の汚れが気になる場合は、全面塗装を行ったほうがよい可能性があります。部分塗装でも問題ないかどうか、施工業者によく相談してから判断しましょう。

外壁を部分塗装するデメリット

外壁の部分塗装を行うときは、次の5つのデメリットに注意する必要があります。

• きれいな仕上がりにならない
• 細かい劣化をカバーできない
• 時間がかかる
• 費用が高くなる
• メンテナンス計画を立てにくい

どのようなことなのか、詳しく説明します。

きれいな仕上がりにならない

部分塗装をするときは、部分的に色や質感が変わってしまうことを理解しておきましょう。

たとえ同じ色・メーカーの塗料を使用しても、経年劣化した塗膜と新しい塗膜ではツヤ感や風合いが異なってしまいます。そのため部分塗装をした箇所は浮きやすく、見た目に違和感が生じるのです。

劣化部分をきれいにしようと行った塗装が、逆に美観を損ねてしまう可能性がある点に注意が必要です。

細かい劣化をカバーできない

外壁の劣化は目に見える部分だけではなく、目に見えない高所にも生じている可能性があります。また、プロがみなければわからない外壁内部の劣化や細かい劣化もあるかもしれません。

施主の判断で部分塗装を依頼した場合、自分では気づけなかった細かい劣化はカバーできません。そのため、結果として再度塗装や補修が必要になってしまうケースが多いのです。

時間がかかる

「部分塗装だからすぐに工事が終わる」と考える方もいるかもしれませんが、実はそうではありません。一部だけの塗装でも、施工には数日かかります。

外壁塗装には多くの工程があり、すべての工程を一気に行うことはできません。また、塗装時は足場を組み立てる必要があるので、全面塗装とあまり変わらない工期になってしまうこともあります。

費用が高くなる

部分塗装は、結果的にコストパフォーマンスが低くなってしまうケースがあります。特に足場を組む必要があるときは、費用が高額になる点に注意しましょう。

足場費用は、一般的な一戸建てで10～20万円程度です。工事するたびに発生する費用なので、何度も部分塗装をするのであれば、全面塗装を行ってしまったほうが費用を抑えられる可能性があります。

メンテナンス計画を立てにくい

一般的に、外壁塗装の頻度は10年に1回程度が目安であるといわれています。しかし、部分塗装を行ってしまうと、「この部分はまだ塗装してから2年で、こっちの部分は10年で…」と、メンテナンス頻度を把握することが難しくなります。

どうしても部分塗装を希望する場合は、数年ごとに外壁全体を点検して、必要に応じて補修や全面塗装をすることが大切です。

外壁を部分塗装するときの注意点

部分塗装を行うときは、以下の2点に気をつけましょう。

• 塗装部分を最小限にとどめる
• 全面塗装もしっかりと行う

各注意点の詳細は次のとおりです。

部分塗装は最小限にとどめる

部分塗装を行う範囲は、最小限にとどめましょう。部分塗装をした箇所は色味や質感が浮きやすく、悪目立ちしてしまうためです。

あまりにも部分塗装の箇所が多いと見た目が悪くなり、何度も補修している劣化した家の印象が強まってしまいます。補修部分が浮いてしまうのを防ぐためにも、部分塗装はどうしても必要な箇所だけ行ってください。

全面塗装もしっかりと行う

部分塗装を行った場合でも、全面塗装のタイミングは遅らせないようにしましょう。

部分塗装のタイミングに合わせて全面塗装のスケジュールを組むと、劣化した外壁を放置することになります。また、部分塗装した面とそうでない面を分けて塗装すると、耐久性や見た目が悪いままになってしまうというデメリットもあります。

気になる部分があるときは部分塗装で応急措置しつつ、適切なタイミングで全面塗装を行い、外壁全体を保護することが大切です。

外壁の部分塗装についてのご相談は野村塗装店まで！

外壁を一部だけ塗装することは技術的には可能ですが、耐久性や美観性の観点からおすすめすることはできません。理由があって部分塗装する場合は、デメリットを理解したうえで、適切なタイミングで全面塗装も行ってください。

神奈川県川崎市で創業70年の信頼と実績を誇る野村塗装店では、外壁トラブルのご相談を承っています。部分塗装を行うべきか悩んでいる方は、お気軽にお問い合わせください。