外壁塗装を行うときは、下地処理や塗装を行う前に高圧洗浄します。なかには、「外壁塗装の高圧洗浄は必要なの？」「やらないとどうなるの？」という疑問をお持ちの方もいるかもしれません。

本記事では、外壁塗装の高圧洗浄について解説します。必要性や施工期間、費用相場などを知って、適切に外壁塗装を行いましょう。

外壁塗装で高圧洗浄が必要な理由

そもそも、どうして外壁塗装の際に高圧洗浄を行うのでしょうか。まずは、高圧洗浄の概要と必要性をみてみましょう。

外壁塗装の高圧洗浄とは

高圧洗浄とは、高圧の水流を当てて汚れを落とす作業です。外壁塗装をするときは高圧洗浄をして、汚れや傷んだ古い塗膜、コケや藻、カビなどを洗い流す必要があります。

なお、高圧洗浄は水で行うことが一般的ですが、水だけでは落ちない汚れに対しては洗浄剤を使うことも少なくありません。洗浄剤を使った高圧洗浄は、「バイオ洗浄」と呼ばれます。

コケや藻の再発を予防するために、バイオ洗浄をすることもあります。

外壁塗装で高圧洗浄しないとどうなる？

「うちの外壁はきれいだし…」「外壁塗装の費用を少しでも抑えたい」と、高圧洗浄を行わずに外壁塗装をしたいと考える方もいることでしょう。しかし、外壁塗装で高圧洗浄のプロセスを飛ばすことは推奨できません。

高圧洗浄せずに外壁塗装をすると、以下のようなデメリットが生じるためです。

• 塗膜が十分に密着しない
• 塗りムラが発生してしまう
• 新しい塗膜がすぐに剥がれてしまう

高圧洗浄をしないと塗装の品質が低下し、塗膜の早期劣化につながってしまうおそれがあります。

スマートフォンの画面保護フィルムを貼るときに、画面を拭いてからフィルムを貼り付けないと、皮脂や汚れでフィルムをうまく密着させられず、すぐに剥がれてしまいますよね。高圧洗浄は、この「画面を拭く」プロセスであると考えると必要性をイメージしやすいでしょう。

外壁塗装で高圧洗浄をする流れと期間

外壁塗装で高圧洗浄をする流れは、以下の通りです。

• 周囲を汚さないようにビニールシートなどで覆う
• 高圧洗浄や洗剤を用いて汚れを落とす
• 高圧の水ですすぎ洗浄する
• 十分に乾燥させる

高圧洗浄の作業自体は、半日〜1日で終了します。しかし、しっかりと乾燥させてから次の工程に進む必要があるので、乾燥時間を設ける必要があります。季節や天候によりますが、1〜2日は乾燥させることがほとんどです。

外壁塗装の高圧洗浄にかかる費用

高圧洗浄にかかる費用相場は、以下の通りです。

• 高圧洗浄：100〜300円／㎡
  水道代：1,000〜2,000円
• バイオ洗浄：500〜800円／㎡
  水道代：2,000〜4,000円

一般的な一戸建ての場合、高くても35,000円程度の金額になることが多い傾向にあります。ただし、業者や住宅の大きさ・形状によって費用は異なるため、詳しくは依頼する業者にお問合せください。

なお、高圧洗浄ではご自宅の水道を使用するため、施工費とは別で水道代がかかります。それほど高額にはなりませんが、しっかりと念頭に置いておきましょう。

外壁塗装で高圧洗浄するときの注意点

高圧洗浄を行うときは、2つのポイントに注意しなければいけません。失敗やトラブルを防ぐためにも、しっかりと確認しておきましょう。

高圧洗浄が無料の業者に気をつける

外壁塗装業者のなかには、「高圧洗浄を無料でサービスする」と提案するところもあります。しかし、高圧洗浄の費用が無料の業者には注意しなければいけません。

• 足場代や下地処理代に上乗せされている
• 水圧が弱い機械を使っている
• しっかりと作業を行なってくれない

高圧洗浄が無料の業者では、上記のようなトラブルが発生する可能性があるためです。

本来かかるはずの費用が不要になるときは、何らかのカラクリが隠されている可能性があります。必ず無料になる理由を聞き、怪しいと思う場合は別の業者も検討してみてください。

高圧洗浄前にご近所へ挨拶しておく

高圧洗浄を行うときは、必ずご近所の方に挨拶をしましょう。洗浄液の飛び跳ねや騒音などが原因で、ご迷惑をかけてしまう可能性があるためです。

挨拶の際は、以下の内容を伝えましょう。

• 高圧洗浄を行う日時
• 洗浄液が飛散する可能性がある旨
• 騒音で迷惑をかける可能性がある旨
• 場合によっては洗濯物を一時的にしまってもらう可能性がある旨

優良業者であれば、挨拶の際に同行して詳しく説明してくれます。トラブルに発展することを防ぐためにも、必ずご近所への挨拶は行ってください。

高圧洗浄は外壁塗装の仕上がりを左右する大切な工程

高圧洗浄は、外壁塗装の仕上がりを大きく左右する大切な役割をもつ工程です。やらないと外壁の早期劣化につながってしまうため、必ず信頼できる業者に作業を依頼しましょう。

なお、家庭用の高圧洗浄機と業務用の高圧洗浄機では、水圧が異なります。DIYでは外壁の汚れを十分に落とすことはできないため、必ずプロに作業を依頼しましょう。